想いは同じ

去年の事だがベルギーから映画監督のアランさんが南相馬市にやってきた。

福島の子供達が放射能の影響下でもどれだけ負けずに生活しているのかを世界に向けて
発信するドキュメンタリー映画を撮りたいということで、その撮影の準備のために
来日し、南相馬市には1週間弱の滞在となったのですが、縁あって僕が南相馬市内を
案内することとなりました。

来日前からスカイプを使って、ネット上で話を何度かして、かなり気さくで
気の合いそうな人だとは思っていました。

実際に会ってみると面白いほどに気が合い、考え方の会う素敵な人でした。

木や森が大好きで歴史や文化を大切にする、そんな人でした。
アランさんは、今の福島の子供達と自然歴史ある野馬追の文化、温かい人付き合いなど
南相馬にある大切なものが原発事故により失われてしまうのではと心配していました。
日本人は勤勉で我慢強い。その日本人が自然災害と原発事故を前にどう立ち向かって
行くのか自分の子供の事のように見守ってくれているようでした。

彼はチェルノブイリの事故の後、現地に入り、実際にそこでどんな事が起きたのか
ドキュメンタリーの映画を作っています。
放射能については普通の日本人よりも詳しい存在であるのは間違いないと思います。
現地を見てきた人だからこそ言える、放射能に対するいろんなアドバイスを僕に
くれました。

そして、本来ならば避難するべきである南相馬市の現状と、避難したくてもできない
子供達の現状を理解した上で、汚染地でも子供達が逞しく生きれるような提案、
子供達の笑顔を取り戻すための取り組みを僕と一緒になって、何時間も何日も
話したような気がします。

僕も福島県の子供達は避難するべきだと思っています。
だけど、それが出来ない事情もよくわかっています。
だからこそ、夏休みや冬休みを利用して放射線量の低い土地への合宿につれて行って
伸び伸びと遊ばせたいとも思っていますし、少しでも健康リスクを回避できるような
取り組みも行っていきたいと思っています。

遠く離れたところに住む、会ったばかりの友達ではあるが、想っていることは
まるで同じだったことにびっくりしたのと同時に、僕の考えていることは
間違いではなかったんだという確信を得ました。

本当に本当に不思議な縁・出会いでした。

今回は撮影準備という事で短い期間の滞在でしたが、今春には撮影の為に福島に
やってきます。
その時にもまた、同じ想いの友と尽きぬ話に花を咲かせられたらと願っています。

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